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くず歯医者の恋愛経済入門2  「ずっとキミを愛してる」は信用できるのか

前回は、下の式を勉強しました。

 

n年後の将来価値=現在価値 ×(1+ 利回り)^n

 

現在価値=n年後の将来価値 ÷ (1+ 利回り)^n

 

この基本の公式は、利回りがわかると自動的に現在価値も将来価値も判明するということを意味しているのでしたね。

利回りをどのように決定するかということになりますが、そのためにはまず「リスク」という概念を理解しなければなりません。

 

薬のリスクとか、リスクを背負う、などのように「リスク」というと一般的に「危険」とか「恐れ」という意味で使われることが多いです。しかし経済や財政などの金融(ファイナンス)の分野のおいてこの使い方は間違いです。ここでいう「リスク」とは「不確実性」を意味します。

確実ではない、ということです。当たり前ですが重要なことです。

 

さて、前回の復習です。

あなたの友達から、5年後に100万円返すと言われ、100万円の融資を頼まれました。あなたはいくら貸しますか?(仮に返却率が100%とする)

 

前回の話を理解していれば、間違っても100万円という人はいないはずです。

では、いくらか。

 

現在価値=n年後の将来価値 ÷ (1+ 利回り)^n

    =100万                ÷ (1+ 利回り)^5

 

ここで、問題が発生しました。利回りはどのくらいなのかと。

ここでは返却率が100%なのですから、リスクはゼロですね。即ち、不確実性がゼロということです。

つまり、元本保証のような安全と言われる運用をした場合の利回りと同じと考えて良さそうです。

 

日本での一番安全な運用といえば、日本国債を指します。日本国債とは日本国が返済を保証している借用書のことです。その中で最も指標となっている10年物日本国債(毎年利息をつけながら10年後に元本が払い戻される)は2015年2月現在、年率0.4%前後で推移しています。ここではわかりやすくするために、便宜上1.0%とします。

毎年1%は安全な利回りとして保証されるのですから、式の続きを書くと

  

    =100万 ÷  ( 1+ 0.01 )^5

    =951465                 となります。

 

つまり、5年後に100万円を確実に返す友達に対してあなたが貸せる金額は951465円ということになります。

951465円を日本国債で5年間運用すると100万円になるのですから当然です。

簡単ですよね。

 

しかしこのようなケースは極めて稀です。なぜならこの世の中に絶対がないことは、失恋したり、ちょっとビジネスをやっていたりすればわかりますよね。「絶対」とは「リスク0」のことですから「不確実性0」ということです。

 

「ずっとキミを愛している。」「次会ったら必ず返す。」「俺が信じられないのか。」

 

これがファイナンスでいうところの「リスク」と呼ばれるやつです。

次回はこの「リスク」を含めて考えてみましょう。