結婚したくない男

せめてプライベートはのんびり暮らしたい。

歯科医師国家試験を終えたばかりのきみたちに伝えたい「2つ」のこと。10年戦士の歯医者がゆるく書いてみた。

今回はちょっと専門的な話なので、興味のある人だけ読んでください。


昨日今日と第110回歯科医師国家試験が実施されました。
受験生の皆さん、本当に本当にお疲れ様でした。

早速仲間内で自己採点をしている人、とりあえず爆睡する人、彼女を家に連れ込む人。
みなさん色々だと思います。
そのすべての人が(卒業できなかった仲間の分まで)力を出し切れたことを祈っています。

ここから3月18日の14時までは全てを忘れてリフレッシュしてください。


気が早いかもしれませんが、少し先の話をしておこうと思います。


みなさんの中からおよそ6割強の人が、4月から歯科医師として「歯科業界」という超レッドオーシャン(狭い上に激戦な場所)に何も知らないまま放り込まることになります。
そこには可愛がってくれる先輩もいれば、切磋琢磨する同僚も、反対に(笑顔の下で)みなさんを疎ましく思う先生もいます。


研修医として働きはじめると、誰からともなくこんな話が湧いてきます。
初めて麻酔をした。うまく印象がとれなかった。あいつの病院はどんどん治療させてくれるらしい。こんな患者がきた。何もできない、どうしよう・・などなど。


ここでまず確かなことがあります。それはみなさんが「最初に勤める医療機関の色に例外なく染められる」ということです。

治療方法からカルテの書き方、患者さんへの対応、器材の置場所のような細かいところまで全てにおいて、です。
そのため同期の間で差がついているように感じ、不安になることかもあるしれません。けれども、そんなことは全く心配いりません。
基本的な診断や治療は誰でも必ずできるようになるからです。


歯科医師の卵であるみなさんへ、10年戦士の歯医者であるボクが伝えたいことは2つです。(エラそうにすみません)


まず、自信を持ちましょう

なんだそりゃ、ですね。でも大切なことなのです。根拠がなくてもかまいません。
厳しい卒業試験と国家試験を乗り越えたのですから胸を張ってください。
国家試験では「痛がっている患者を拒否する」という選択肢は、禁忌(←今年で最後かな)でしょう。しかしボクは、自信がない歯医者こそ禁忌を踏んでしまっていると思っています。
自ら進んでたくさん経験してください。そのために上司や先輩は上手に利用しましょう。ムカつくときは心の中で舌を出しましょう。そして真摯な態度で治療してください。


もう一つ。「歯科医師」という見えない鎖にとらわれないようにしましょう

???かもしれません。みなさんが取得するであろう「歯科医師免許」とは、医療行為を「してもよい」免許であって「しなければならない」免許ではありません。
好きなことを見つけ(または続け)ましょう。それには時間とコストが必要不可欠です。
そのためにお金の勉強をしましょう。世の中の仕組みを知りましょう。稼ぐことは卑しいことではないと気付きましょう。

そして自分がいかに小さな世界にいるか感じてほしいと思っています。



「忙しい」を言い訳にやらない人は、「忙しくない」ときにも何もやりません。
「忙しくない」今こそ大切に自分の時間を過ごしてください。


4月にみなさんと仕事できることを心から楽しみにしています。