嚥下機能の低下では、ムセの症状や食事時間の延長、ガラガラ声などが観察されます。
しかしこれらは機能自体が正常な場合でも起こることがあります。
以前と比較して明らかに変化があるときも、嚥下機能の低下として認めやすいですが、初めての患者さんのように断片的に判断するときに便利な方法があります。
それは「咽頭後壁を触る」です。
咽頭後壁とはのどちんこのさらに奥にある喉の壁です。
ちょうど正面を向いた人の口の中にまっすぐ指を入れて、そのままたどり着く場所です。
多くの人は必ずムセます。たどり着く前に気持ち悪くなることが殆どです。
嚥下障害が進んだ患者さんは、ここを触っても反応がありません。
この方法だと、現時点での嚥下障害を判別することができます。
あくまで反応がなければ嚥下障害ありということで、反応があるといって嚥下障害がないとは限りません。