食事中の観察ポイント3「食欲の有無」
テーブルに座り食事を目の前にしても、いっこうに食べないことや以前と比べて食事量が減っていることがあります。
一言でいうと「食欲低下」です。
原因を考えてみます。
1.食事が開始できない
2.食事の手順がわからない
3.味覚障害、嗅覚障害
4.満腹感
1.食事が開始できない
自分が座っている場所が食事をする場所とわからない、または食物の存在が認識できない場合に起こります。
これを見当識障害といいます。
2.食事の手順がわからない
どのように食べたらいいか、何を食べたらいいかがわからない状態です。
これを失行といいます。
3.味覚障害、嗅覚障害
文字通り味や匂いを感じる能力の低下もしくは欠如のより、食事がただの作業となっている状態です。
アルツハイマー病の初期にみられる症状です。
4.満腹感
食べすぎの状態、もしくは脳が満腹だと感じている状態です。
認知症が進行すると量や間隔を自分でコントロールできなくなります。
患者さんそれぞれの既往歴や生活スタイルから、原因を探ることが大切です。