前回のエントリーで提示した問題点の対応を考えてみます。
もんだい1
・食事を開始できない
原因
・食事の手順がわからない(箸を持つ、水を飲むなど)
・多くの情報が処理できない(他人の声や動き、テレビなどの音)
対応
・最初の行動に対しての促し、声かけ
・同じ動作をしてみせる(行動提示)
・視野や耳に入る情報制限(一人で食べる、テレビを消す)
もんだい2
・箸がうまく使えない
原因
・精密性の低下
・意味記憶の障害
対応
・同じ動作をしてみせる(行動提示)
・スプーンのような代替品の提示
施設のような集団生活の場では、入居者それぞれの今までの生活スタイルとは違う習慣になることがほとんどです。
ずっと静寂の中で食事していた人が、いきなりガヤガヤした空間で食べることになるので、ストレスを感じる場合も多いです。
また、食事を始めることのできない人に対しての行動提示は効果的ではあるのですが、
限られたスタッフで対処している施設が多いため、一人一人に細かく対応することは現実的に難しいでしょう。
医学的な見地と現場での実行力。
理想と現実。
今の介護の現場で強く感じます。