結婚したくない男

せめてプライベートはのんびり暮らしたい。

歯科医院を開業するとき、ほとんどの歯医者が勘違いしていること。

 

歯科医院の開業で一番のネックは設備投資です。業種的にどうしてもコストがかかります。歯科用の治療で座る椅子(ユニットという)は安くても100万円はしますし、ピンセットのような器具は何本あっても足りません。更にそこにレントゲンやらいろんな器材が乗ってくるともう訳がわかりません。

この資金を調達するために、借入することがほとんどでしょう。

 

昨日のエントリー多くの人にとって結婚は夫妻。ではなく負債。の中で示した「人的資本」には、当たり前ですが借入分は入っていません。

つまり、借入れしたら人的資本の額からその分を引かなければならないし、逆に貯金がある場合は加えればよいのです。

 

テナントならば家賃、持ち家ならばローンの返済が毎月かかってきます。こうして設備投資にコストがかかる商売はどんどん身動きがとれなくなります。だからすぐやめるなんてできません。そこに嫁や子供がいたら尚更です。

そうすると、必然的に毎月の出費分を稼がなければいけません。理想の病院を掲げていたのにもかかわらず、いつしか毎月の出費額を考えながらどのくらい稼がなきゃいけない、という思考になりがちです。誰もが1月の売り上げにノルマを決めて一喜一憂します。もし足りていない場合は何するかって、営業時間伸ばしたりハガキ出したり、ひどい場合は過剰に診療したり(コゴエ)するわけですよ。休日診療なんて朝飯前です。

 

そのとき、開業の時に手伝ったコンサルとか材料屋はもれなく知らんぷりです。彼らは開業までがお得意さんですからね。できることと言えば「親身になって話を聞くふりをすること」です。「大変ですねえ」「これからですよ」「先生なら大丈夫です」。これらは常套句です。

先生と呼ばれる職業は、みんなが特別だと思っていますからね。

 

そして彼らは立場上、手がけた病院が流行らくてもたとえ潰れたとしても、自分たちには関係のない話ですから。痛くも痒くもありません。

もちろん流行ったときだけは自分たちの手柄です。だから「このエリアには歯医者が少ない」とかって言って営業するんです。あとから湧いてくるの知ってるはずなのに。「資金繰りはこんな感じです」と言いながらきれいなパワーポイントの資料を見せてきます。

まあ向こうも商売ですから、技術的な知識しかない「先生」側にも責任はありますが、はっきり言って、それに騙されちゃう人多いんですね。ですから。ここは「レベニューシェア」の契約がいいですね。

 

おまけに周りが開業しだすと、なんとなく焦るのもわかります。

 

ただここで一呼吸おいてください。

 

そしてもし、患者に対してより良い治療を施してあげたいと思うのなら、それを提供できる環境を維持成長させることが一番重要である、ということを理解してください。つまり技術を磨いた分と同じくらいの時間を使って、世の中とかお金の勉強すべきである、ということなのです。