結婚したくない男

せめてプライベートはのんびり暮らしたい。

歯科医師国家試験に合格した君たちが、春から玄関先に置いていくもの。

改めて、第108回歯科医師国家試験、合格おめでとうございます。

今日は春から働き出す人たちへ、いくつかアドバイスをお節介したいと思います。

 

まずは、国家試験に落ちた友達へこちらから連絡をとるのは控えましょう。ボクは幸いなことに一発で合格しましたが、何人かの友達は不合格となってしまいました。しかし、いずれ落ちた事実があったことすら忘れます。傷の癒え方は人それぞれですから、じっくり待ってあげましょう。結局、合格すれば一緒ですからね。出身大学も勤務地域も性別も関係ありません。すべて時間が解決します。

 

さて4月から多くの人は、どこかの病院に勤務することと思います。そこでは勤務先のスタイルに絶対服従せざるをえません。不満に感じることも多々あるでしょうが、我慢して一から学んでください。最低限の技術を身につけなければ、文句を言う資格すらありません。

企業に就職する新卒の人たちと違い、医学系の新卒の人たちは学術的な知識が豊富です。それは国家試験が終わった直後だからです。細かい病理の所見や、細菌の特徴、水道の衛生状態から臨床症状の名称まで、その見識の広さには毎年驚かされます。

しかし残念なことに、そのうちの9割は必要のないことです。現実(現場)と理想(学術)のギャップに戸惑うことになりますが、それを楽しむくらいの心持ちで臨みましょう。

 

そして一番大切なことを伝えます。これは、ボクがいつも伝えていることです。

時間の許す限り、恋愛と経済の経験を積みましょう。

知っての通り医学部や歯学部は6年制です。4年制の大学に比べ最低でも2年ほど社会に出る時期が遅いです。キツイことを言うようですが、君たちは社会的に、プライドだけが異常に高い甘ちゃんの新入生なんです。そしてそれを自覚していないのが現状です。

歯科医師の男女比は8:2です。8割の男性歯科医師の多くは、職場や学内で恋愛をします。要するに内部市場です。衛生士や助手は、足元に落ちている甘い果実ということになります。2割の女性歯科医師も、恋愛不足に陥ります。職場のスタッフは女だらけですからね。言い方を変えれば、このままでは外部市場から相手にされずに終わってしまうということです。

 

ハッキリいいます。男の歯医者がモテるのはウソです。そして、女の歯医者がモテないのもウソです。

男性歯科医師は、外部市場で期待していたほどモテず、先程言った手っ取り早い内部市場に帰還します。マーケットの広さは比較するまでもありませんよね。「なぜモテないか」をフィードバックする前に、プライドが邪魔をするのです。結果、忙しいという言い訳を盾に、外部市場から撤退していきます。つまり一歩ずつ前進し、玄関にプライドを置いていける歯科医師のみがモテるのです。

女性歯科医師は、そもそも外部市場にでなければ出会いがありません。どんどん外に飛び出しましょう。ただでさえ2年も遅れているのです。時間は多くありません。医療系の女の子はモテない、みたいな風潮もありますが、それはただの撤退するに都合の良い言い訳です。

考えてみてください。手に職がありそれも国家資格で、そこそこ稼げる女の子に対して、需要がないわけないんです。若くて気の利く女の子に負けるかもしれません。でも経済力や知性に魅力を感じる人も相当数存在します。特に若い男の子や、合コンに飽きた人たちには。

少しでもモテたいと思うなら、プライドと言い訳は不要です。これらは一瞬の自尊心を保つことはできても、自分の成長を阻害する因子にすぎません。

 

恋愛と経済の経験は、人生を豊かに過ごすスパイスとして非常に優れています。

先のことは誰にもわかりません。資格さえ持っていれば問題ないという時代が続く保証はどこにもありません。というより、いつ崩壊してもおかしくありません。だからこそ意識的に色々な世界に目を向けましょう。 一度きりの人生、楽しい時間を過ごすためのスパイスは持たないより、持っているにこしたことはないでしょう。

加えて、医療業界は規制の多い世界です。これはボクから言わすと、規制の中での生き方はとても上手になりますが、自分で新しく創生するという能力はみるみる退化していくと同義である、ということです。どうしても、顧客(患者)より行政(厚労省)に目線は向きやすくなります。しかも、この規制は自分でコントロールすることは困難です。

 

この理屈が理解できると、少ない休みをセミナーや学会で埋めるのはあまりに愚かな行動です。その時間は恋愛活動をして、さらにお金の勉強をして世の中の仕組みを知ることが、自分に対する大いなる投資になるのです。

実際の恋愛活動、経済活動に積極的に参加しましょう。合コンでも、株でも、不動産でも、会社の経営でも。ちょっとでも自分の興味があることで良いのです。

 

最後にもう一度。玄関先に「プライド」と「言い訳」は置いていきましょう。 みなさんのご健闘を祈っています。