結婚したくない男

せめてプライベートはのんびり暮らしたい。

自分の仕事、好きですか?(例えば、前途ある歯医者さんに捧ぐ)

お金を稼ぐということは、価値を提供することです。買い手は欲しいもの(商品、技術、情報)に対価を払い、売り手はそれを提供して対価を得ます。地元のスーパーだろうが、銀座の時計屋だろうが、たとえ怪しいビルの一室であろうが全部一緒です。

最近よく思うのは、売り手側と買い手側にはおおきな隔たりが存在している、ということです。

 

売り手側は自分たちのブランド力や技術力などで必死に自分たちの存在をアピールします。しかしそれは必ずしも買い手側のニーズを満たす方向ではなかったりします。

 

例えば歯科業界だと、自分はこんな治療ができるとか、こんな病院で修行したとか、ほにゃらら先生の弟子だったとか、この地域は比較的歯医者が少ないとか。こういう理由を錦の御旗にして自分の医院を開業したりしますけど、ボクから言わすとそれってそもそもの発想がくだらないですね。

ここで言いたいのは、自分の仕事(と呼んでいるもの)が好きですか?ということです。

 

自分で医院を経営している人全員が好んで歯科医療をしているとは到底思えません。お金のためとか、親の影響とか、他にやることないからっていう人もたくさんいるはずです。もちろん好きであればそれは天職に近いでしょう。そのうえで、買い手(この場合は患者)のニーズに沿ったアピールをすればもっと価値が提供できる機会が増します。予約を取るのにストレスがないとか、料金が明朗であるとか、治療期間が明確とか、話をよく聞いてくれるとか。既にそんなことはやっているとか思うかもしれません。けれど再考の余地はきっとありますね。

あと、今までの積み重ねを無駄にしたくない、とかもくだらないです。経済学的にサンクコストと呼ばれるものです。自分の強みだと思っているものが相手に刺さっているとは限りません。過去ではなく未来を見ましょう。

 

結局、他の病院にはないものを目指すとか考える前に、何度も言いますが、自分の仕事(と呼んでいるもの)好きですか?そのすごい技術で患者さんに感謝されることが自分の幸せですか?一生続く講習会での技術や知識のアップデートは楽しいですか?

 

利益を出さなければ事業ではありません。所謂ゴーイングコンサーンです。

でもそんなことよりずっとずっと大切なのは、限りある人生の中で好きでもないことをやっている時間は必要ない、ということです。