今週末に今年度の歯科医師国家試験が実施されました。108回目です。
早速仲間内で自己採点をしている人、とりあえず爆睡する人、彼女を家に連れ込んでいる人、すべての受験生の皆さん、本当にお疲れ様でした。
ここから3月18日の合格発表までは、神のみぞ知るですね。春桜の咲く時期まで楽しんできてください。
気が早いですが、少し先の話をしておきます。
4月から今日の受験生のおよそ7割は、「歯科業界」という超レッドオーシャンに何も知らないまま放り込まれます。そこには可愛がってくれる先輩もいれば、あからさまに煙たがる上司もいます。笑顔の下で内心君たちを疎ましく思っている先生もいます。
研修医として働き出すと、誰からともなくこんな話が出始めます。うまく印象がとれなかった。初めて麻酔をした。あいつの病院はどんどん治療させてくれる。こんな患者がきた。何もできないどうしよう・・など。
ここでまず確かなことがあります。君たちは、初めて勤める医療機関の色に例外なく染められる、ということです。治療方法からカルテの書き方、患者への対応、器材の置場所のような細かいところまで全てにおいて。同期の間で差がついているように感じて、不安になることもあります。しかしそんなことは全く心配いりません。基本の治療はどんな人でも必ずできるようになります。そのうち、インプラントが・・とか言い出すでしょう。
歯科医師1年目の先生(の卵)たちへ伝えたいことは2つです。
まず、自信を持ちましょう。前に紹介したコンフィデントスピリットですね。仕事でも恋愛でも同じです。国家試験では「痛がっている患者を拒否する」という選択肢は、禁忌肢でしょう。しかしボクは、自信がない歯医者こそ禁忌を踏んでしまっていると思っています。自ら進んでたくさん経験してください。そのために上司は上手に利用しましょう。ムカつくときは舌を心の中で出しましょう。そして真摯な態度で治療してください。
もう一つ。「歯科医師」という見えない鎖にとらわれないようにしましょう。歯科医師免許とは、医療行為を「してもよい」免許であって「しなければならない」免許ではありません。ボクは外に目を向けました。今も歯科以外の比重が大きい生活をしています。そのためにお金の勉強をしましょう。世の中の仕組みを知りましょう。稼ぐことは卑しいことではないと気付きましょう。そして自分がいかに小さな世界にいるか感じてください。特に、ボクと同じく歯医者に向いていないと思っている人は。
「忙しい」を言い訳にやらない人は、「忙しくない」ときにも何もやりません。
「忙しくない」今こそ大切に自分の時間を過ごしてください。
4月に君たちを心からお待ちしています。
質問あれば受付けます。