くず歯医者の恋愛経済入門７ あなたに値段をつける（しがない歯医者が儲からないわけ）
今回は、あなたの値段を算出してみます。言い換えると、人間の値付けです。
経済学では、人それぞれが持つ「労働力」のことを「人的資本」と呼びます。多くの人は、仕事という労働をすることで給料を得ています。つまり、人的資本を使って、対価を得ているということになります。当然、稼ぎ出す対価は人によって違います。
「フリーランス歯医者が教える「中２でもわかるお金が貯まる方程式」」のエントリーを思い出してみましょう。自分の持っているお金は「総資産=（収入ー支出）＋（現保有資産×運用率）」の簡単な方程式で表すことができました。
今述べたように「人的資本」は「労働力」ですから、この方程式の「収入」部分に深く関わってきます。すなわち、資産を増やすための元手の一つが自分自身である、と考えることができるのです。
さて年収300万円を得るために、安全資産である日本国債（年利1%）へ投資すると、元手は3億円必要となります。
（300万=3億×0.01）
∴ （3億=300万 / 0.01）
同じように自分自身を毎年お金を稼ぎ出す日本国債のようなもの（自分国債）だと考えると
（年収）＝（自分国債）×（利率）
∴（自分国債）＝（年収） /（利率）
で表すことができます。
ここで利率、すなわちディスカウントレートにまたまた登場してもらいましょう。
日本国債が年利(実際はもっと低いですがここでは便宜的に)1%ですから、よほどのことがないと解雇されない公務員の場合は2%くらいと考えてよいでしょう。
大手企業の会社員は3%くらいでしょうか。医者のような専門職も同様に3%。
中小企業のサラリーマンは5%くらい。
プロ野球選手は750人のうち毎年約75人がクビなので10%。
オレオレ詐欺（職業ではないですが）のような社会的リスクがあるものは70%としてそれぞれの人的資本を計算してみます。
- 公務員（年収500万）
500万/0.02=2億5000万
- 大企業サラリーマン（年収1000万）
1000万/0.03=3億3000万
- 開業医（年収2000万）
2000万/0.03=6億6000万
- 中小企業サラリーマン（年収600万）
600万/0.05=1億2000万
3500万/0.10=3億5000万
- オレオレ詐欺（年収？3000万）
3000万/0.70=4300万円 （単位 円）
人的資本の大きさに比例して、稼ぐ金額は大きくなっていきます。資産を築くためには自分の価値を上げればよいという、つまり人的資本の拡大ということになりますね。もちろん日本のサラリーマンの場合は高学歴が高リターンを得やすくなっています。しかし自分の価値を上げる方法は学歴だけはありません。
さらにリスクとリターンのバランスも重要です。高いリターンが見込めても、法に触れるものを含め継続性に乏しいものは、バランスがとれているとは言えません。
そして何より一番重要なのは、自分自身の満足度が高いかどうかです。人的資本の拡大作業があなたにとって満足感、充実感を得ることができるものなのかどうか。
人生のパフォーマンス（←人的資本ではありません）を上げるためには、精神衛生の保全がとにかく大切なのです。
ちなみにしがない歯医者の人的資本は
800万円/0.6=1億3000万円
あたりが平均すると妥当なところでしょう。
おまけに開業なんかして設備投資すると、ここからウン千万が泡のように消えていきますからね。
満足度も低いと思う人はさっさと他のことやりましょう。
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