くず歯医者の恋愛経済入門1 「現在価値」の考え方
2/14のエントリーで『総資産=(収入ー支出)+(現保有資産×運用率)』の説明をしました。今日はこの式の中の「運用率」について掘り下げてみます。
お金の運用の基本になります。最初は難しく感じますが慣れればどうってことありません。
さて突然ですが問題です。
ここに今後10年間、毎年10万円ずつ払われる証券があります。合計100万円分です。
この証券をいくらで購入しますか?
100万円だと思った人は、ちょっとお金の知識が足りません。
セミナーや名刺交換だけの異業種交流会に参加する前に、マネーの勉強をしましょう。
では一体いくらなのでしょうか。
まず、お金(資産)には「現在価値」と「将来価値」という考え方があります。
1年後に10万円もらえるこの証券は、当然1年後に10万円です。
それに対して今の10万円は運用すれば1年後には10万円以上になっているはずです。
この運用益の差が現在価値と将来価値の差です。
仮に3%で運用したとしましょう。
計103%になりますから、1年後は
10万円×1.03=103000
となりますね。
つまり
将来価値=現在価値 ×(1+ 利回り)
ということです。
この式をちょっと移項すると
現在価値=将来価値 ÷ (1+ 利回り)
になりますね。
ここに、1年後10万円をもらえるこの証券を当てはめてみます。
現在価値=10万円 ÷ ( 1 + 0.03)
=97087
1年後に10万円になる証券は、3%の利回りで換算すると現在価値は97087円ということになります。
2年後はどうでしょう。
今の10万円は、1年後の金額にさらに1.03をかければよいので
(10万円×1.03)× 1.03 = 106090
になります。
将来価値=現在価値 ×(1+ 利回り)^2
ということです。
またまたこの式を移項すると
現在価値=将来価値 ÷ (1+ 利回り)^2
になりますね。
注 ^ は自乗を表す
2年後にあらためて10万円をもらえるこの証券に当てはめてみます。
現在価値=10万円 ÷ ( 1 + 0.03 )^2
=94259
2年後に10万円になる証券は、3%の利回りで換算すると現在価値は9425円ということになります。
つまり
n年後の将来価値=現在価値 ×(1+ 利回り)^n
現在価値=n年後の将来価値 ÷ (1+ 利回り)^n
が成り立ちます。
この式が意味することは、利回りがわかると現在価値も将来価値もわかるということです。
これで、今後10年間毎年10万円ずつ払われる証券の値段、つまり現在価値がわかります。1年後から10年後までの10万円の現在価値の和を求めればよいのです。
現在価値=10万円 ÷ (1+ 0.03 )^3 =91514
10万円 ÷ (1+ 0.03 )^4 =88848
10万円 ÷ (1+ 0.03 )^5 =86260
10万円 ÷ (1+ 0.03 )^6 =83748
10万円 ÷ (1+ 0.03 )^7 =81309
10万円 ÷ (1+ 0.03 )^8 =78940
10万円 ÷ (1+ 0.03 )^9 =76641
10万円 ÷ (1+ 0.03 )^10=74409
10年分を合計すると 853015円となります。やっと出ました。
今後10年間毎年10万円ずつ払われる証券は、3%の利回りで換算すると853015円である。
これがこの証券の買うべき値段です。
大切なことは、将来価値よりも現在価値のほうが価値があるということです。将来の100万円よりも、今の100万円の方が価値があるのです。今のお金を運用することで将来的に増えるはずですから。まずはこのことを理解してください。
そして利回りが高くなればこの価格は低くなり、利回りが低くなれば価格は上がります。計算すればわかりますが、何故そうなるか感覚的にわからない人は考えてみましょう。
さて、この利回りをどうやって決めるのか。と疑問に思った方はいいセンスを持っています。次は利回りの決め方について説明したいと思います。